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なぜ大学ファンド設立が期待できるのか?
2021年度中に、政府(文部科学省と内閣府)は、大学の研究開発を支援するためのファンド設立予定です。
目的としては、日本の大学の国際競争力を引き上げるため大学の研究支援費のねん出となります。公的資金も投じて10兆円規模をめざし、必要な資金を運用益でまかなうファンドの基本設計を公表しました。
背景には、世界大学ランキング(英誌2020年)において、トップ200に入った日本の大学は東大(36位)と京大(54位)だけでした。政府が2013年に掲げた目標である「今後10年で世界の大学トップ100に10校以上」が実現が難しいという見方があり、研究費の基盤を強化する方法が大学ファンドの設立です。
また競争力低下の一因としては、2004 年からの国立大学法人化で人件費や研究費などに充てる運営交付金が減少したのも理由のようです。
文部科学省の資料によると、海外の大学の基金規模では、以下のとおり海外勢とは大きな差があります。
- 米ハーバード大:4.5兆円
- エール大:3.3兆円
- ケンブリッジ大:1兆円
- 慶大:730億
- 早大:300億
- 東大:150億
米英の大学は自前で基金を運営する一方で、日本は国が資金面で支援することに懸念する声もあるようです。
国際力を高めるためには、学部教育を重視する大学、研究を重視する大学院、国立大学は高等教育の場と、最先端の研究をするイノベーションという2つの機能など「選択と集中」が必要不可欠と言われています。
大学も企業と同様に多くのデータ蓄積があり、AIとデータを活用して、人財、プロセス、意思決定などの対応が求められています。
当社のサービスとして、大学IR事業(Institute Research(インスティチュート・リサーチ / 大学機関調査・機関研究)を手掛けているため、非常に興味があり注目している政策の一つです。